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変わることのない福音

編集者注:これはテーブルトーク誌の「福音書」というシリーズの第一章の記事です。

私は、クリスチャンであり、プロテスタントです。イエス・キリストだけを信頼し、恵みによってのみ、信仰を通してのみ、キリストによってのみ、救いが実現することを信じているので、私はクリスチャンです。また、救いが他のあらゆる方法によって実現すると教える人に対して抗議(プロテスト)し続けるので、私は熱心なプロテスタント信者です。

少し前に初めてローマを訪れたとき、私はもちろん、バチカン市国の城壁内に位置するサン・ピエトロ大聖堂の見学を楽しみにしていました。世界一高いドームの下に身を置くと、私はただただその壮麗な迫力に感嘆する他ありませんでした。しかし、この建造物の建設資金がどのように調達されたかについて考えると、途端に感情が込み上げてきたのです。16世紀のローマで、特定の教皇や枢機卿が贖宥状の制度を企み、神聖ローマ帝国中の庶民の負担で大聖堂を建設しようとしたことを思い出すと、深い悲しみと正義の苛立ちで心がいっぱいになります。大聖堂の建築資金の大部分は、「コインが箱にチャリンと音を立てて入ると霊魂が天国へ飛び上がる」[『教養として知っておきたい 「宗教」で読み解く世界史』宇山卓栄著、日本実行出版社、2020年]というヨハン・テッツェルが用いたと言われている有名な言葉のように、キリストにある永遠のいのちを条件付きで約束する歪められた福音の説教によって集められたのです。

この記事を執筆している現在、スプロール博士と私が奉仕するセント・アンドリューズチャペルの新しい会堂とフェローシップ・ホールの建設のため、ヘルメットを被った建設作業員の方々が骨を折って働いてくださっています。完成すると、会堂はヨーロッパ各地の大聖堂の様式を取り入れたスタイルに仕上げられます。この新会堂を建設するにあたって、たとえ経済的に困難な時期の只中にあろうとも、私たちはこの巨大な事業のためにキリストの福音をねじ曲げることはしません。むしろ、会堂建築は歴史的かつ不変の福音のためであり、主のみこころならば、変わり続けるこの世の中で、決して変わることのない福音が何世代にも渡って輝き続けることを願っています。全能の主なる神は、昨日も今日も、とこしえに変わることがありません。したがって、主のみことばも変わることがなく、イエスの生涯と宣教を記した四つの福音書も変わることがなく、複雑さのない、無条件の神の福音も変わることがありません。クリスチャンとして、私たちは神の御前に生き、動き、存在します。また、たとえ、イエス・キリストの完成された御業に自分の行いを付け加えたいという高慢な心があっても、私たちはプロテスタントとして、福音のために戦い続けなければならないのです。


この記事はテーブルトーク誌に掲載されていたものです。

バーク・パーソンズ
バーク・パーソンズ
バーク・パーソンズ博士は、フロリダ州サンフォードのSaint Andrew’s Chapel(聖アンドリューズ・チャペル)の主任牧師、リゴニア・ミニストリーズの出版部門主任、テーブルトーク誌の編集者、並びにリゴニアの専属講師を務めている。彼はアメリカ長老派教会(PCA)の按手を受けた牧師であり、Church Planting Fellowshipのディレクターとしての役職もある。彼は『Why Do We Have Creeds?』の著者、『Assured by God』、『John Calvin: A Heart for Devotion, Doctrine, and Doxology』の編集者、そしてジャン・カルヴァンによる『A Little Book on the Christian Life』の共同翻訳者・共同編集者である。パーソンズ博士のツイッターアカウントは @BurkParsons