聖書に示される救い

2026年06月14日(木)

最初の論争:アウグスティヌス対ペラギウス

2026年06月22日(木)

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なぜ改革派の救済論が重要なのか


これまでこの短い特集記事の連載で見てきたように、聖書に忠実な救済論は自然に保たれるものではありません。旧約聖書においても、多くのイスラエルの民がモーセ契約の本質を誤って理解し、律法主義的な救いの理解に陥りました。また、あからさまな偶像礼拝に陥った者もいます。パウロは、自身の宣教の中で自ら教えた人々が、急にその教えから離れてほかの福音に移っていったことに驚きを表しています(ガラテヤ1:6)。

初代教会では、ペラギウス主義や半ペラギウス主義が問題となりつつも、それらは完全に消えることはありませんでした。いずれも当初こそ退けられましたが、14世紀から15世紀になる頃には、半ペラギウス主義が支配的な考え方となり、中には完全なペラギウス主義に近づく者さえいました。さまざまな異教的思想の影響を受ける中、救いは、ローマ・カトリック教会の按手を受けた司祭による秘跡の執行によって、人間の本性が高められていくこととして理解されるようになりました。この教会と祭司を中心とする救済論体系は、中世を通して、聖書的救済論と完全に置き換わってしまいました。今日においても、義認の聖書的教理はなおも議論の攻撃の的となっており、拒否されたり書き換えられたりしています。

1. 改革派の救済論が重要なのは、それが聖書的教えに忠実であり続けるものであるから

改革派の救済論は、行いによる救いと恵みによる救いの違いを強調し、強く主張します。そして、ペラギウス主義および半ペラギウス主義に対するアウグスティヌスの立場に立って、これらを断固として退けています。また、ローマ・カトリック教会に入りこんでいた義認の存在論的理解を否定し、聖書に基づいた、神の贖いの恵みの契約的な理解に立ち返らせます。

2. 改革派の救済論が重要なのは、それが何百人もの改革派神学者たちや牧師たちによる長年にわたる徹底的かつ広範囲な釈義的研究に基づいているから

改革派の救済論は、どこかの「インフルエンサー」なる人物が、深く考えもせずに思いつきで提示した議論などではありません。長年にわたる入念な釈義的研究の積み重ねによって、包括的な契約神学が生まれたのです。それは、堕落前の状態と堕落後の状態との違いを明確に示すものです。そして、行いと恵みの違い、また律法と福音の違いについて、聖書的に区別することを教会に思い起こさせるものです。

3. 改革派の救済論が重要なのは、それが他のあらゆる神学分野と密接に結びついているから

改革派の救済論は、三位一体、神の聖定、創造、摂理、人間と堕落の教理、キリストの人格とその御業、救いの秩序における救いの適用、教会と聖礼典、そして終末に関する教理と、聖書的な繋がりを保っています。アルミニウス主義の救済論とは異なり、改革派の救済論は、その神学体系の中に不整合や自己矛盾を含みません。すなわち、父なる神が救いにおいて意図しておられることに対して、御子がまったく違うことを意図しておられるということはないのです。

4. 究極的に、改革派の救済論が重要なのは、福音が重要であるから

アダムとエバのすべての子孫は、罪の中に死んだ状態で生まれ、神に敵対する者であり、神が働きかけてくださらない限り、希望のない存在です。しかし、感謝すべきことに、神はキリストの人格とその御業を通して私たちに働きかけてくださいました。それゆえ、私たちはこの良い知らせを宣べ伝えるために召されています。パウロは、コリント人への手紙第一の中で、この良い知らせを要約しています。それは、次の通りです。

キリストは、聖書に書いてあるとおりに、私たちの罪のために死なれたこと、また、葬られたこと、また、聖書に書いてあるとおりに、三日目によみがえられたこと、また、ケファに現れ、それから十二弟子に現れたことです。その後、キリストは五百人以上の兄弟たちに同時に現れました。その中にはすでに眠った人も何人かいますが、大多数は今なお生き残っています。その後、キリストはヤコブに現れ、それからすべての使徒たちに現れました。(一コリ15:3-7)

イエスは、失われた人類にとって、救いへの唯一の道です。イエスを通してでなければ、誰も父のみもとに行くことはできません(ヨハネ14:6)。

ドルトレヒト信仰規準では、このように説明されています。

十字架にかけられたキリストを信じる者は、誰も滅びることなく、永遠の命をうるという福音の約束がある。この約束は、悔い改めと信仰の命令を伴って、神が福音を伝えることをよしとされたすべての国民とすべての人々に、差別なしにまた区別なしに告知され、提供されなければならないのである。(第二教理条項、第五条)

改革派の救済論は、重要です。なぜなら、それは聖書的福音を保つよう私たちを促し、何世紀にもわたって教会を惑わしてきた数々の落とし穴を避けるよう私たちを助けるからです。ただ神のみに栄光あれ(Soli Deo Gloria)!


1『改革教会信仰告白集 ― 基本信条から現代日本の信仰告白まで ―』(関川泰寛・袴田康裕・三好明編集、教文館、2014年)、440頁。


この記事はリゴニア・ミニストリーズブログに掲載されていたものです。

 

キース・A・マシソン

キース・A・マシソン

キース・A・マシソン博士は、フロリダ州サンフォードにあるReformation Bible Collegeで組織神学の教授を務める。著書に『The Lord’s Supper』『From Age to Age』などがある。